【レビュー】Canon PowerShot V1は「写真機」として使えるか?3ヶ月使い込んで見えたこと。
「無人島にカメラ一台で行くとしたら何を持って行きますか?」
突然ですが皆さんはこう尋ねられたらなんと答えますか?すごく悩む質問かと思うのですが、私は、「Canon PowerShot V1」と答えます。そう思うくらいこのカメラはいいカメラです。
スマホでも一眼レフカメラのように綺麗な写真を撮れるようになり、カメラの存在意義は、日に日に薄れている今日。なぜこのカメラが良いのか、どういう人におすすめなのか、Canon PowerShot V1の購入を考えている人に向けて実際の作例をお見せしながら、本音でレビューしていきます。
- 「スマホ以上、ミラーレス未満」の画質を求めている人
- 16mmという「超広角」の表現を楽しみたい人
- とにかく「機動力」を最優先したい人
基本情報(スペック)

【撮像素子】1.4型CMOSセンサー
【有効画素数(静止画)】最大約2230万画素
【レンズ(35mm換算)】約16-50mm F2.8-4.5
【常用感度】ISO100-32000
【連写】最高約30コマ/秒
【撮影枚数】400 枚
【手ぶれ補正】なし
【重さ】379g
【サイズ】118.3*68*52.5 mm
まずは、キヤノン公式サイトの情報を元に写真を撮る人が気にしていそうな簡単なスペックをピックアップしまとめたので、ぜひご確認ください。
今回気になるポイントは、1.4型のCMOSセンサーですよね。従来の人気コンデジに積まれている1.0型センサーに比べて面積は約2倍となっており、より高画質かつ高感度で撮影が可能になりました。
常用ISO感度が最高32000となっており、最新のAPS-Cミラーレスカメラと同じレベルの数値まで使用できる点も室内撮影や夜景を撮られる方には嬉しいポイントですね。
そして次に注目したいのが、レンズですよね。広角側が35mm換算で16mmまで対応。より広くダイナミックな写真を撮ることができるようになりました。絞りもF2.8-4.5となっており、夜や暗い場所の撮影でも手持ちでシャッタースピードを稼ぐことができるようになりました。
重さについては、決して小さく軽くはないのですが、これだけスペックの揃ったコンデジはないと思うのでぜひ、皆さんにはこのカメラで撮った写真を見ていただきたいです。
外観のデザイン

次に、外観のデザインに触れていきたいと思います。サイズは、幅118.3mm × 高さ68mm × 奥行き52.5mmとなっており、決して小さい個体とは言えません。カメラの厚みはそれなりにあるので、グリップの安定感は他のコンデジと比べても高いと感じます。

上部にはモードダイヤルを搭載しているため、メニュー画面から設定を変更する手間がなく、直感的に操作できます。

レンズにはコントローラーリング、モニター横にはサブ電子ダイヤルがあり、それぞれに露出やシャッタースピード、絞りを割り当てることができ、ミラーレスカメラのように直感的な操作が可能です。

側面にはUSB-C端子を搭載しており、モバイルバッテリーやUSB電源アダプターからの充電と給電に対応しています。 なお、Canon PowerShot V1のUSB充電・給電の条件は以下の通りです。

実際に3ヶ月使用してみて感じたこと
私は今年の1月にCanon PowerShot V1を購入し、休みの日はほぼ毎日このカメラを持ち出して写真を撮影してきました。
ここからは、実際に3ヶ月間使い込んで感じた「良かったところ」と「気になった点」を、作例を交えながら正直にレビューしていきます。
自然に美しい色の仕上がり

まずは、写真の色について話していきます。写りについては、最新のミラーレスカメラと遜色のないレベルの美しい発色です。空の青や木の緑、桜のピンクも自然な色合いをしています。風景だけでなく人物撮影にも向いており、人肌も綺麗な仕上がりになります。

基本的にRAWで撮影していますが、ミラーレスと同じようにそれぞれの色を自由自在にコントロールすることができます。ダイナミックレンジも比較的広く、コンデジにしてはシャドウもそれなりに持ち上がってくれます。
やはりキヤノン機。白のヌケ感と青の深みが美しいです。
広角側の16mmが結構使える

続いては、広角レンズについてです。Canon PowerShot V1のレンズは、35mm換算で約16-50mmとなっており一般的なズームレンズに比べて広角側がワイドに撮れる設計になっています。

私自身、標準レンズしか持っていない時は仕方なくスマホのカメラを使用していました。そのため、これは地味に嬉しいポイントです。広角側がダイナミックになったことで、新しい表現が生まれて「買って良かった」と心から実感しています。
また、広角の話ではないのですが、Canon PowerShot V1は1.4倍のクロップ機能も使用できます。画素数は多少落ちるものの、望遠側は最大約71mm相当になるので、もう少し焦点距離を伸ばしたいときに非常に便利です。
い場所でもハッキリ映る

次は、高感度耐性の話です。コンパクトデジカメというと「暗い場所ではノイズまみれになって、全く使い物にならない」と思う方は多いのではないでしょうか。
しかし、Canon PowerShot V1は違います。常用ISO感度は最高32000となっており、個人的な感覚としてISO 6400であれば問題なく日常使いができます。常用ISO感度6400まで使えるかどうかが、私の中でカメラを選ぶ際の指針となっており、これだけあれば大抵のものは撮れます。(夜間の鉄道撮影や飛行機撮影を除いて)
Canon PowerShot V1は手ぶれ補正機能を搭載しておらず、暗い場所で撮影する場合は、いくらレンズが明るいとはいえISO感度を上げざるを得ないのですが、このカメラであればノイズを気にせずガンガンISOを上げることができます。
高速連写で狙った瞬間を逃さない

次に、連写性能についてです。「連写なんていつ使うの?」という意見も聞こえてきそうですが、動く被写体と風景を絡めて撮りたい時などには非常に重要です。
Canon PowerShot V1は、電子シャッター使用時に最高約30コマ/秒、メカシャッター時でも最高約15コマ/秒の高速連続撮影が可能です。最新のミラーレスカメラ並みの連写性能を備えているため、被写体の一瞬の表情を逃すことがまずありません。
フリンジの発生が目立つ
ここからは気になった点について、お話ししていこうと思います。
気になったポイントの1つ目は、フリンジが目立つということです。
コンデジなので仕方ない部分もありますが、開放時はもちろん、絞り込んでもパープルフリンジが目立ちます。そのため、RAW現像時の後処理が必須になってきます。
バッテリーの持ちはそこそこ
気になったポイントの2つ目は、バッテリーの持ちです。写真を趣味にしていない方の使用頻度であれば問題ないのですが、一日中撮り続ける方の場合は、予備バッテリーまたはモバイルバッテリーが必須です。
モバイルバッテリーからの給電(充電しながらの撮影)も可能なので、致命的な欠点というわけではありませんが、念のためお伝えしておきます。
追い込んでAFは使えない
最後に気になった点として、AF(オートフォーカス)の精度についても触れておきます。Canon PowerShot V1は「デュアルピクセル CMOS AF II for PowerShot」を搭載しており、測距エリアが広くワンショットAFは比較的優秀です。
しかし、サーボAF(AI SERVO)を使って動きの速い被写体を狙うのは、正直かなり厳しいというのが現実です。1点AFなどで工夫もしてみましたが、食いつきがあまり良くなく、結局MF(マニュアルフォーカス)に切り替えて「置きピン」で撮影していました。
とはいえ、日常使いにおいては必要十分……というか、十分すぎるほどの性能を備えています。あくまで「極限まで追い込んで使いたい人」だけが注意してほしい、といったところです。
ここまで、3ヶ月間Canon PowerShot V1を使って感じた良かった点と気になった点を紹介してきました。次は、このカメラで撮影した写真をたくさん用意しましたので、実際の写りをご覧いただければと思います。
作例









まとめ
この記事では、Canon PowerShot V1で実際に撮影した写真を交えながら、写真機としての実力をレビューしてきました。改めて、このカメラがどういう存在かと言うと、「お散歩に持って行きたい万能コンデジ」です。
もちろん、画質を最優先するならミラーレスに軍配が上がります。しかし、どれだけ高性能なカメラでも、持ち歩かなければ意味がありません。
1.4型の余裕ある描写と16mmの超広角を、このサイズで持ち歩ける。それこそが、スマホ以上ミラーレス未満を求める人にこのカメラを薦めたい最大の理由です。
「今日はどのカメラを持って行こうかな」と悩む必要はもうありません。この万能な一台を持って、ぜひ新しい景色を切り取ってみてください。

