【飛行機の撮り方】流し撮りのコツを分かりやすく解説
スピード感や臨場感あふれる写真を撮りたいときに欠かせないテクニックが「流し撮り」です。難しそうに思えるかもしれませんが、カメラの設定とちょっとした身体の使い方さえ押さえれば初心者でも十分チャレンジできます。
今回は、流し撮りの基本的なカメラ設定から、撮影成功率をグッと引き上げるコツまでわかりやすく解説します。
カメラの設定
撮影モード

流し撮りで最も大切なのは、背景のブレ具合をコントロールするシャッタースピード(SS)を自分で意図通りに固定・操作することです。そのため、カメラ任せのオートモードではなく「シャッタースピード優先モード(SまたはTv)」か「マニュアルモード(M)」を選びましょう。
- 練習スタート: 1/400秒〜1/125秒 程度
- 日中の基本: 1/60秒 前後
- 夜間・離陸機: 1/20秒 以下
- 夜間・着陸機: 1/10秒 以下
シャッタースピード

最初から極端なスローシャッターを狙うと失敗しやすくなります。まずは成功しやすい速度から始め、段階的に遅くしていくのが上達の近道です。
流し撮りで最も大切なのは、背景のブレ具合をコントロールするシャッタースピード(SS)を自分で意図通りに固定・操作することです。そのため、カメラ任せのオートモードではなく「シャッタースピード優先モード(SまたはTv)」か「マニュアルモード(M)」を選びましょう。
【初心者・日中の撮影】
「シャッタースピード優先モード(S / Tv)」 自分が設定したシャッタースピードに合わせて、カメラが適正な露出(明るさ)になるよう絞り(F値)やISO感度を自動調整してくれるため、撮影に集中しやすくなります。
【夜間・慣れてきたら】
「マニュアルモード(M)」 露出が激しく変動する夜間撮影や、絞り(F値)とISO感度まで完全に自分でコントロールして画質や明るさを追い込みたい場合は、マニュアルモードでの撮影が非常に有効です。
絞り(F値)

露出(写真の明るさ)を決める順番としては、「シャッタースピード ➔ 絞り ➔ ISO感度」の優先順位で設定を組み上げていくのがおすすめです。シャッタースピードを固定した上で、次に絞りで光の量を調整します。
【日中の撮影】
日中にスローシャッターを切ると、レンズから大量の光が入りすぎて写真が真っ白(白飛び)になりやすくなります。そのため、基本は F8〜F11 あたりまで絞り込んで光量を抑えるのが扱いやすい設定です。 強い太陽光が当たる順光環境などでそれでも明るすぎる場合は、F14〜F18 あたりまで絞り込みます。ただし、絞りすぎると光の回折(かいせつ)現象によって写真全体の解像感が落ち、少しぼやけたような画質になってしまう「回折現象(小絞りボケ)」が発生するため、極端な絞り込みには注意が必要です。
【夜間・暗所の撮影】
光量が圧倒的に不足する夜間の撮影では、少しでも多くの光をセンサーに取り込む必要があります。そのため、お使いのレンズで一番小さなF値(F2.8やF4など)である「開放F値」に設定するのが基本です。
ISO感度

設定の最後に行うのがISO感度の調整です。シャッタースピードと絞りを決めた後、適正な明るさ(露出)になるようにISO感度で全体のバランスをとります。
【日中の撮影】
日中は光量が十分にあるため、画質が最もクリアでノイズの少ない ISO100(またはカメラの常用最低感度)に固定して撮影します。
【夜間・暗所の撮影】
夜間は暗さとの戦いになります。「ノイズを出したくないから」とISO感度を低く抑えようとすると、そのぶんシャッタースピードを極端に遅くせざるを得なくなり、被写体ブレや手ブレによる失敗写真が量産されてしまいます。
そのため、夜間は ISO6400 や ISO12800 といった高感度まで思い切って引き上げましょう。最近はAdobe Lightroomなどの現像ソフトに搭載されている「AIノイズ除去機能」の精度が極めて高いため、撮影時に発生したノイズは後からきれいに処理できます。まずはノイズを恐れず、被写体を確実に止められる感度設定で撮影することを最優先にしましょう。
流し撮りのコツ
カメラの設定が完了したら、いよいよ実践です。流し撮りは適当にカメラを振るだけではなかなか成功しません。撮影成功率をグッと引き上げるための4つの重要なコツを解説します。
手ブレ補正は基本的に「ON」にする

流し撮りはスローシャッターで撮影するため、普段の撮影以上に手ブレの影響を強く受けます。そのため、手持ち撮影の場合はカメラやレンズの手ブレ補正機能を「ON」にしておきましょう。
手ブレ補正に「MODE2」などの流し撮り専用モード(横振りのブレのみを補正するモード)がある場合は、そちらを選択するのがベストです。
身体の軸を意識した「立ち方」

カメラを手だけで振ってしまうと、上下に軸がブレて失敗の原因になります。下半身を安定させ、身体全体を使ってカメラをスライドさせるのがポイントです。
スタンス: 足を肩幅程度に開き、どっしりと腰を落とします。
向きの調整: 最初に「写真を切り取りたい正面の位置」ではなく、「流し終わる(カメラを振り抜く)方向」に予め身体(つま先)を向けておくのがコツです。
振り方: 身体を少しひねった状態から被写体を追いかけ始め、腰を軸にして滑らかに回転させます。シャッターを切り終えた後もピタッと止めず、最後までカメラを振り抜くことで動きがスムーズになります。
被写体と「正面」でシャッターを切る

特に飛行機や電車などの横長で大きな被写体を低速シャッターで撮影する場合、カメラと被写体の距離が刻一刻と変化します。
斜め前や斜め後ろから向かってくるタイミングでシャッターを切ると、被写体の「前後の距離の変化(遠近感の変化)」によって被写体自体がブレやすくなります。最も被写体ブレを防ぎやすいのは、カメラと被写体の距離が最も近く、垂直に平行となる「真横(正面)」のタイミングです。この位置で集中してシャッターを切るように意識してみましょう。
ファインダー内に「グリッド線」を表示

カメラを振るスピードと、被写体が移動するスピードを完璧に同調させるために、ファインダー(または背面モニター)の「グリッド表示」を活用しましょう。おすすめは「9分割+対角線表示」の設定です。(※対角線は構図を作る上で役立ちます)
- ファインダー内の「縦のグリッド線」を1本決めます。
- その縦線に、飛行機の機首やコックピット(車のライト、電車の先頭など)をぴたりと重ねます。
- レンズを振っている間中、その縦線と被写体のポイントが絶対にずれないように追従してカメラを振っていきます。
目印となる線があることでスピードのズレが一目で分かるようになり、被写体がピタッと止まった高精度な流し撮りの成功率が上がります。
まとめ
今回は、流し撮りの基本的なカメラ設定から実践的なコツまで解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
- カメラ設定のポイント
- モードは「シャッタースピード優先(S/Tv)」または「マニュアル(M)」
- シャッタースピードは無理せず
1/400秒などの速い速度から練習し、徐々に遅くする - 日中は絞りすぎ(回折現象)に注意し、夜間はノイズを恐れず高感度(ISO6400〜12800)を積極的に使う
- 実践のコツ
- 手持ち撮影時は手ブレ補正を「ON」にする
- 流し終わる方向に身体を向け、腰を軸にしてスムーズに振り抜く
- 被写体と最も距離が等しくなる「真横」のタイミングでシャッターを切る
- 画面に「グリッド線」を表示させ、縦線と被写体のポイントを重ねて追従する
流し撮りはプロでも失敗カットがたくさん出るほど、難易度の高い撮影テクニックです。始めのうちはなかなかイメージ通りに撮れないかもしれませんが、とにかく数多くの場数をこなすことが上達への一番の近道です。
何度もチャレンジしていくうちに、カメラを振るスピード感や自分なりの感覚が身体に染み付いていきます。ぜひ今回の設定とコツを参考に、躍動感あふれる最高の一枚を狙って撮影を楽しんでみてください!